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YubiKey の開発者向けツール【YubiKeyとは-part3】

ソフト技研 AdventCalendar  18日目の記事です。

YubiKey には様々な機能があることはご紹介した通りですが、その機能をカスタマイズするために様々なツールを Yubico社が開発しています。しかし多くの機能があるが故、古くからのツールから新しいツールまで、いろいろとあり正直わかりづらいです。

そこで、今回は開発者向けの記事として、 Yubico社が開発している各種ツールについてご紹介したいと思います。

本シリーズの目次

本記事のコンテンツ

おさらい

前回、前々回のエントリで、YubiKey には、大きく分けて 2種類 が存在すると書きました。

つまり Security Key by YubicoYubiKey 5 シリーズです。

 

Security Key by Yubico で利用できるプロトコルは FIDO のみとなっており、ゆえに利用できるツールも YubiKey Manager 一つだけです。(当然 FIDO の機能のみ設定可能です)

YubiKey Manager

YubiKey Manager の起動画面

YubiKey Manager は YubiKey に関する様々な設定を行える Python 製のツールです。

Security Key by Yubico の設定を行う

Security Key by Yubico(2 の刻印があるもの!)を挿入すると、Applications タブから PIN の設定や、キーのリセットを行うことができます。

YubiKey Manager で Security Key by Yubico の設定を行う

ただし、キーのリセットを行ってしまうと、今までに登録した資格情報がすべて削除されてしまいますのでお気を付けください。

※U2Fのみ利用可能な旧製品を挿入してもなにも設定できません。

U2F のみ利用可能な旧製品では設定不可

YubiKey 5 の設定を行う

YubiKey 5 を挿入すると、上記FIDOプロトコルに関する設定に加えて、Interface の設定、各Slotの設定が行えます。

 

YubiKey 5C Nano を挿入した状態

Interface の設定

Interface 設定は、YubiKeyのどの機能を有効にするかという設定です。 たとえば、YubiKey 5 の FIDO と PIV 機能は使うけれども、OTPは使わないので一時的に無効にしたいといった場合に利用できます。

Interface の設定

無効にしても設定は保存されており、再度有効にすることで元通りになりますので安心してください。

Slot の設定

Slot の設定は YubiKey の OTP 機能を切り替えます。 okta などのサービスに独自の secret で OTPを登録する、あるいは自社で OTP の認証サーバーを立てる場合、もしくは Yubico OTP 以外の OATH-HOTP などを設定する場合などに利用します。

OTP Slot 1, 2 の設定

通常利用の利用では、あまり利用することはないかと思いますので、詳細な説明は割愛しますが、機会があればご紹介いたします。

 

YubiKey Personalization Tool

YubiKey Manager の Slot 設定をさらに詳細に行えるのが YubiKey Personalization Tool です。

YubiKey Personalization Tool の起動画面

こちらのツールでは YubiKey の OTP 出力に関する詳細な設定が行えます。

具体的には YubiKey Manager 同様、 YubiKey の Slot1, 2 の 2つのスロットに対し、Yubico OTP/OATH-HOTP/Static Password/Challenge-Response などを設定することが可能です。また、ほかにも

  • YubiKey Neo の NDEF 機能を設定する
  • 金属部分のタップのふるまいを設定する
  • OTPの入力前後に tab や Enter キーを挿入する
  • YubiKey の金属部分のLEDに関する設定…etc

といった細かい設定も可能です。

YubiKey Personalization Tool オプション設定画面

また、YubiKey Manager と大きく異なる点として、複数の YubiKey に対して連続で設定を行える機能があり、大量の YubiKey にOTPを設定しなければいけないようなインテグレーションの際に便利です。

YubiKey PIV Manager

YubiKey の PIV 機能を利用するときに利用するのが PIV Manager です。

PIN・PUK・Management Key の設定、証明書のインポート、自己発行証明書の作成、CSRへの証明書発行要求等、一通りの証明書に関する操作が可能です。

PIV Manager 起動画面

 

Linux や Mac 環境で利用するにはこのツールを使っておけば間違いないのですが、Windows 環境で Windows の CNG 経由で利用を考えている際は、ご注意ください。本ツールで Management Key を変更してしまうと CNG 経由での証明書書き込み等ができなくなります。

Yubico Authenticator

Yubico Authenticator (Android版)

Yubico Authenticator は Google Authenticator などと同様に、 TOTP の登録や表示ができるアプリケーションです。 TOTP の Seed(OTPを生成する秘密情報)は通常、TOTP を表示するデバイスに保存されますが、Yubico Authenticator アプリでは YubiKey に Seed を保存することにより、複数のデバイスで TOTP の表示が可能です。

Yubico Authenticator(Windows版)

 

CLI Tool たち

ここまで GUI のツールをご紹介しましたが、各種ツールには CLI のツールもあり、YubiKey のインテグレーションを助けてくれます。

以前までは、各ツールの CLI ツールを一つ一つご紹介しなければならなかったのですが、最近はYubiKey Managerに統合していく方針のようで、活発に開発が進められています。

インストール方法

Windows であれば、YubiKey Manager GUIに同梱されているのでパスを通します。Mac で あればbrew install ykman, あるいは、pip経由でpip install ykmanでインストールが可能です。

利用方法

ykman コマンドを利用すれば、インテグレーションの自動化や、GUIツールで変更できないパラメータの変更が可能です。

たとえば、モードの変更を効率的に行うことや

PIV モードの PIN, PUK の試行回数を変更するといった GUI では変更不可なパラメータも変更可能です。

詳しくは、YubiKey Manager CLI (ykman) User Manual : Yubico Supportをご覧ください。まだ見ぬ YubiKey の機能を発見できるかもしれません。

おまけ

私は Windows 環境で YubiKey の各種ツールをインストールする場合、scoopを利用しています。基本的なツール一式はこちらから落とせば一発ですのでよろしければ利用してみてください。

最後に

今回は、YubiKey の資格情報の書き込みや変更を行える便利なツールをご紹介しました。

ただし YubiKey の資格情報を上書きすることで、現在利用している資格情報が消去され二度と復元できなくなる場合もあります。くれぐれも書き換えは自己責任で行ってください。

なお、YubiKey に関するサポートやコンサルタントが必要な場合は、問い合わせページよりお問い合わせください。

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