弊社は、PPAP対策などに使えるファイル転送クラウドサービス「YubiOn SecureFileTransfer(ベータ版)」を2022年11月30日にリリースしました。
今回はその「YubiOn SecureFileTransfer」について、「実際どんな感じで使うものなの?」といったところ、手順も含めてご紹介させていただきます。
前半は大まかな概要、後半は実際の手順を記述しますので、なんとなく概要が知りたいという方は前半だけでも読んでいただければと思います。
※この記事の紹介時点ではベータ版のご紹介のため、今後製品のアップデートで動作や仕様が変わる可能性がありますがその点はご容赦ください。
【前半】YubiOn SecureFileTransferご紹介
YubiOn SecureFileTransferの大まかな特徴についてご紹介いたします。
廃止に向かうPPAP
PPAP対策製品という名目でご紹介していますが、そもそもPPAPって何のこと?という方もおられると思いますので簡単に説明します。
例えば、誰かにメールで機密ファイルを送信したい、というシチュエーションを想像してみてください。
普通のファイルなら添付でよいのですが、機密ファイルなので、メールにそのまま添付することはできませんね。もしメールが盗まれたら情報漏洩になってしまいますので大変危険です。
ということで、送りたい機密ファイルをパスワード付きでzip圧縮します。そのファイルを一度メールに添付して送りました。解凍パスワードを伝えないといけないのでパスワードだけを書いた別のメールを送信…
といった方法を使ったことがある人は多いのではないでしょうか。
この、パスワード付きzipファイルを添付した後に、パスワードを伝える方法が、俗にPPAPと呼ばれているものです。やったことがある方ならわかると思いますが、この手順はかなり面倒なんですよね...。しかも、それだけ面倒なことをしているわりには、セキュリティ対策として有効ではないと指摘されています。確かに、メールが盗まれるリスクがあるなら、パスワードを書いたメールを分けて送ったとしても、結局両方盗まれてしまう可能性が高いですし、「あまり効果がないかも?」と想像がつくかと思います。
実際、日本政府でもPPAPを禁止する方向へシフトしており、2020年11月26日以降は内閣府・内閣官房でPPAPを廃止するとの発表がありました。
PPAPを廃止する動きは一般企業でも広がっていますし、それらの企業とのやり取りにはパスワード付きzipファイルが使えないようになるなど、今後もPPAP廃止の動きは加速していくと考えられます。メールにファイルを添付すること自体がコンピューターウィルスなどのリスクがありますし、将来的には、パスワード付きzipを添付すると取引先から「非常識だ!」と叱られてしまうことがあるかもしれないですね。
YubiOn SecureFileTransferは何ができるの?
前述の通り、PPAPおよびメールにファイルを添付することそのものが避けられるようになってきています。そうは言っても、メールのやり取りの最中にファイルを送りたい場合、ファイル添付はとてもお手軽で便利です。添付ファイルが使えないとなると、困ってしまうのではないでしょうか。
ここでようやくYubiOn SecureFileTransferの出番になるわけですが、こちらのサービスは、メールに添付することなく、ファイルを安全な方法で送ることができるクラウドサービスです。
メール添付をしないため、PPAP対策になるというわけです。
やり取りの大まかな概要を見ていきましょう。
YubiOn SecureFileTransferを使ったやり取りの概要
ファイルを送りたいある人(送信者)がファイルを送信したい相手(受信者)にメールを送る場合を想定します。
※送信者はYubiOn SecureFileTransferを利用する時に、あらかじめ登録が必要ですが、ここではすでに登録が終わっているものとします。
まず送信者は、送信したいファイルをYubiOn SecureFileTransferにアップロードします。
この時、受信者のメールアドレスを指定することができ、指定したメールアドレス以外の人がファイルをダウンロードできないように制限することができます。
※メールアドレスを指定しないこともできます。この場合はダウンロードの制限をせず、誰でもダウンロードできるファイルになります。
アップロードが完了すると、ダウンロードURLが表示されるので、ファイルを送信したい相手(受信者)にそのURLをメールで伝えます。
受信者はダウンロードURLにアクセスし、ファイルをダウンロードします。
この時、メールアドレスの指定がされている場合はログインが求められます。指定されているアカウント以外はダウンロードできません。指定がされていない場合はログインせずにそのままダウンロードができます。
これで無事、ファイルを受け渡すことができました。
YubiOn SecureFileTransferの利点
ご覧いただいた通り、YubiOn SecureFileTransferを使ったファイルのやり取りでは、メールにファイルを添付することはありません。
また、ファイルはメールアドレスの指定ができますので、第三者による不正なファイルダウンロードを防ぐことができます。そのため、たとえメールの内容を第三者に盗み見られたとしても、ファイルを盗まれることがありません。
ファイルはクラウド上で暗号化されて保存されます。また、アップロードとダウンロードの経路はSSL/TLSで暗号化されていますので、安全な形でファイルを送受信することができます。
その他の機能として、アップロードしたファイルがダウンロードされたかがわかったり、アップロードしたファイルを削除することもできます。これにより、受信者のダウンロードが確認できたら、アップロードしたファイルを削除しておけば、必要以上にファイルを公開することなく、より安全に運用ができます。
メール添付をする方法の場合は、送信先メールアドレスの誤りや、添付ファイルの誤りをしてしまうと取り返しがつかないこともありますが、YubiOn SecureFileTransferを使っていれば、後からファイルを削除することができるため、これらの人的ミスによるリスクの回避にもなります。
また、アップロードするファイルは1GBまで対応していますので、単純にメールではサイズが大きくて添付できないファイルを送信する場合などでもお使いいただけます。
無料でご利用いただけますので、ぜひ登録して試してみてください。
後半は具体的な操作手順についてご紹介します。
【後半】YubiOn SecureFileTransferの利用手順
YubiOn SecureFileTransferはクラウドサービスで、登録すればすぐにご利用いただけます。
実際にサービスを利用してファイルを送受信するまでの手順を説明します。
利用の大まかな流れとしては次のようになります。
それでは具体的な手順について説明していきます。
YubiOn SecureFileTransferの利用登録
YubiOn SecureFileTransferを使うために、アカウントの登録をします。
製品のトップページから「新規登録」ボタンをクリックします。
「個人情報の取扱い」と「ご利用規約」をご参照の上、同意するチェックボックスにチェックを入れて「次へ」ボタンをクリックします。
続いてユーザー登録を行いますが、2種類の登録方法があります。
[Googleアカウントをお持ちの方]
Googleアカウントをお持ちの方は、Googleのアカウントで登録ができるので、簡単に登録することができます。
「外部サービスアカウントによる会員登録」のGoogleアイコンをクリックします。
複数のGoogleアカウントを使っている方はどのアカウントを利用するかを選択してください。
Googleアカウントとの連携が行われ、登録が完了します。
こちらの方法は早いですね。
[Googleアカウントをお持ちではない方]
Googleアカウントをお持ちではない方は、メールアドレスの登録とメールの確認が必要になります。
画面の下部「ユーザー情報入力」で登録する名前、メールアドレス、パスワード、確認パスワードをそれぞれ入力して登録ボタンをクリックします。
確認メッセージで「OK」をクリックします。
ユーザー仮登録の画面が表示されます。このタイミングで、入力したメールアドレス宛に登録メールが送信されます。
お使いのメーラーでメールを確認し、本文中のリンクをクリックしてください。
有効期限が1時間なので、もし有効期限が切れた場合は登録からやり直しになります。
URLを開くと、メールアドレスの入力画面が開きます。 登録したメールアドレスを入力して「確認」ボタンをクリックし、登録したパスワードを入力してログインします。
正しいパスワードを入力すると登録が完了します。
送信したいファイルをアップロード
登録したメールアドレスでYubiOn SecureFileTransferにログインします。
左メニューから「アップロード」を選択して画面を開きます。
「概要」の項目を入力します。
送信元:
送信者のメールアドレスです。
メールアドレスを複数持っている方は、設定画面であらかじめメールアドレスを登録しておけばプルダウンメニューから選択できるようになります。
送信先:
メールを送信する先(受信者)のメールアドレスを指定するかどうかの設定です。
「限定しない」を選択した場合はURLを知っていれば誰でもダウンロードできるようになります。受信者はYubiOn SecureFileTransferに登録することなくダウンロードできます。
「限定する」を選択した場合は受信者のメールアドレスを入力します。プラスアイコンをクリックして、複数のメールアドレスを指定することもできます。
受信者はURLからダウンロードするときに、YubiOn SecureFileTransferにログインする必要があります。※未登録の場合は登録が必要です。
「限定する」を選択した方がよりセキュリティ強度が高いため、通常は指定した方が安全になります。
タイトル:
アップロードしたファイルがダウンロードされるときのファイルタイトルです。任意の名前でOKです。
オプション:
「オプションを開く」ボタンをクリックするとオプションの設定が表示されますが、ベータ版では設定値が固定になっていますので変更できません。
「アップロードファイル一覧」の中の「ファイル選択」ボタンをクリックするか、ファイルをドラッグ&ドロップすることで、アップロードするファイルを指定します。
ファイルは複数指定できます。
「アップロード」ボタンをクリックして、確認ポップアップメッセージで「OK」をクリックします。
ファイルアップロードが開始されます。
ファイルは自動的にzip圧縮されてアップロードされます。
アップロードが完了するとこのような画面が表示されます。
ここに表示されているダウンロードURLを、ファイルを送信したい相手に伝えます。
今回はメールを送信します。
送信相手にダウンロードURLを通知
送信相手にダウンロードURLを伝えるため、メーラーを開いてメール本文を書きます。
本文中に、ダウンロードURLをコピペしました。
ファイルのダウンロード有効期限がデフォルトで3日になっていますので、念のため記述しておきます。
メールを送信します。
送信者側の操作は以上です。
次の手順からは、受信者側の操作を見ていきます。
受信した相手がファイルをダウンロード
ここからは、受信者側の操作を確認していきます。
送信者からメールが来ましたので、メール本文のダウンロードURLをクリックします。
URLを開くとYubiOn SecureFileTransferのログイン画面が表示されます。
ちなみに、送信者がメールアドレスを指定せずにアップロードを行った場合は、ログイン画面ではなく、直接ダウンロード画面が開きます。
YubiOn SecureFileTransferの登録をしたことがあればログイン操作を行いますが、初めて利用する場合は、「新規登録」のリンクから登録操作を行います。
登録の操作は前述の「YubiOn SecureFileTransferの利用登録」の内容と同じなのでここでは割愛します。登録するメールアドレスは、送信者が指定したメールアドレスと一致している必要がありますのでご注意ください。
登録に成功すると、ログイン後に受信ファイル画面が表示されます。
ダウンロード画面が表示されない場合は左メニューの「受信履歴」から受信ファイル画面を開いてください。
「アーカイブ内ファイル一覧」に、ファイルの内容が表示されます。
「ダウンロード」ボタンをクリックします。
「保存」ボタンをクリックしてファイルをダウンロードします。
ファイル名は送信者が「タイトル」の項目で指定した名前になっています。
以上で無事にファイルの送信が完了しました。
その他機能の紹介
アップロード後に送信者側で確認できる機能について補足しておきます。
送信者側では、「送信履歴」の画面で、送信したファイルの情報が一覧で表示されます。
タイトルをクリックすると、アップロードしたファイルの情報が表示されます。
詳細情報を開くと、ダウンロードページのURLをもう一度確認することもできますので、URLをコピーし損ねたときなどはここから確認してください。
また、「ダウンロード可能回数」の項目では、現在ダウンロードされた回数が表示されますので、実際にファイルがダウンロードされたかどうかを確認できます。
現在は誰がダウンロードしたかまでは見ることができませんが、今後のアップデートで細かい情報が確認できるようにしていく予定です。
ちなみにダウンロード有効期限が過ぎるとファイルは削除され、一覧からも消えてしまうのでその点はご注意ください。
まとめ
YubiOn SecureFileTransferはメールに添付することなくファイルを転送することができるサービス
メール添付しないためPPAP対策になる
アップロードしたファイルはダウンロード可能な相手を制限できるため安全
以上、YubiOn SecureFileTransferのご紹介でした。
無料でご利用いただけますので、ぜひこの機会にお試しください。
今後もアップデートを行い、より便利に、より使いやすい製品を目指していきます。
お使いの際、何か気が付いたこと、こんな使い方をしてみたいなどのご意見・ご感想がございましたら、ログイン右上の名前クリック時に表示される「フィードバック」のフォームからお送りください。
今後のアップデートの参考にさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Comments